外壁の黒ずみ、原因は外だけじゃない?
2025/11/26 Wednesday
外壁に黒ずみを見つけると、
「雨だれかな?」「ホコリかな?」
と、“外からの汚れ”だけを思い浮かべる方が多いと思います。
実際、多くの黒ずみの原因は、
排気ガス・雨だれ・ホコリ・カビ・コケといった屋外環境です。
しかし、外壁調査をしていると、
「日当たりも悪くない」「大通りにも面していない」
それなのに 特定の場所だけ黒ずみが濃く出る家が少なくありません。
そうした家に共通するのが——
✔ 室内の“生活排気”が外壁に影響している
ということ。
今回は、黒ずみの主な原因から、
生活排気で黒ずみが悪化するメカニズムについて、お話しします。
■ 外壁の黒ずみ——主な原因は「外」から来る汚れ
まず外壁の黒ずみの8〜9割は、
以下のような“屋外環境によるもの”です。
1. 排気ガス
交通量が多い道路に近いほど、黒ずみは多く発生します。
2. 雨だれ
サッシ下・換気フード下に黒いスジができる典型的な汚れ。
3. ホコリ・チリの付着
特に凹凸のある外壁(リシン・スタッコ・モルタル)に付きやすいです。
4. カビ・コケ
湿気がこもる北側や、風通しの悪い場所に多く発生。
5. 車庫・エアコン室外機周り
排熱・排気で汚れが定着することがあります。
しかし、黒ずみの原因はこれだけではありません。
■ 意外と知られていない「生活排気」が黒ずみを悪化させる理由
特に日当たりも悪くない住宅街で、
「この家だけ黒ずみが早く出ているな」と感じるケースがあります。
その多くが、
✔ 室内からの“生活排気(油・湿気・微粒子)”が外壁に付着している
という状態です。
具体的には以下の通り。
● キッチンの油煙
換気扇から外に出た油煙は、微粒子の油膜になります。
これが外壁に付くと、
ホコリや排気ガスを吸着しやすいベタついた汚れになり、
黒ずみが濃く見える原因になります。
● 浴室からの湿気
湿度の高い空気が外壁に当たることで、
カビやコケが繁殖しやすい環境ができてしまいます。
とくに浴室の窓付近・換気口付近は黒ずみが集中しがち。
● 洗濯乾燥機の排気
ドラム式乾燥の排気は温かく湿っており、
ホコリも含むため、付近の外壁が黒っぽくなることがあります。
● エアコンのドレン水
「水だけだから大丈夫」
と思われがちですが、
ドレン水には微量のホコリや雑菌が含まれています。
外壁に落ち続けることで
“スジ状の黒ずみ”の原因になります。
● ペット・タバコの微粒子
外に抜ける構造の場合、換気口周りが黒くなるケースもあります。
これらの汚れは単体では小さなものですが、
ここがポイント👇
✔ 外の汚れ(排気・ホコリ)
+
✔ 生活汚れ(油・湿気・微粒子)
この2つが合わさることで
汚れが“くっつきやすくなる” → 黒ずみが濃く見える
という現象が起きます。
つまり、黒ずみが起きる場所によっては
「生活排気が原因で汚れが加速している」
ということも十分あり得るのです。
■ 「黒ずみが目立つ家」に共通するポイント
黒ずみが目立つ家にはこんな共通点があります。
✔ 換気扇の排気口の近く
✔ 浴室まわり・勝手口周辺
✔ 洗濯乾燥機の排気ダクト側
✔ エアコンのドレン水の出口下
✔ 風通しが悪い壁(庭・隣家との幅が狭い部分)
✔ 北側 × 生活排気の組み合わせ
とくに「北側 × キッチン排気 × 浴室の湿気」が重なると、
黒ずみ・カビ・コケが一気に増える傾向があります。
「雨だれだと思っていた黒ずみが実は油煙だった」
という例も珍しくありません。
■ では、どうすれば黒ずみを防げるの?
外壁の黒ずみを少なくするには、
“外側の対策”と“内側(生活)の対策)”の両方が有効です。
【外側の対策】
● ① 低汚染塗料を選ぶ
黒ずみや雨だれに強い塗料はかなり効果的です。
● ② 換気フード周辺のスポット洗浄
年1回の軽い洗浄で定着を防げます。
● ③ ドレンホースの向きを改善
外壁に直接落ちないようにするだけで変わります。
● ④ 定期点検
汚れは“初期段階で落とす”方が圧倒的に楽。
【内側(生活)の工夫】
● 換気扇フィルターをこまめに掃除
油煙が外に出にくくなります。
● 調理時は「強」換気
中途半端な換気は外壁の汚れにつながりやすいです。
● 浴室は“湿気を外に出しすぎない工夫”
換気方向を変えるだけで外壁のカビリスクが減ります。
● 洗濯乾燥機の排気方向を調整
可能なら下向き・外壁から離す設置がベター。
外壁の黒ずみは「外からの汚れが原因」と思われがちですが、
実際には、
・排気ガス
・ホコリ
・雨だれ
・カビ・コケ
といった屋外の汚れに、
生活排気(油・湿気・微粒子)が加わって汚れが濃くなっているケースも多くあります。
黒ずみの原因は
1つではなく“複数が重なる”ことで強く出るため、
✔ 外側の環境
✔ 家の中の生活習慣
どちらも見直すことで、
外壁の美観を大きく長持ちさせることができます。





