塗装前にチェック!意外と多い「窓まわりの劣化」とその原因 — 塗り替えの失敗を防ぐためのポイント
2025/11/7 Friday
外壁塗装を検討するとき、多くの方は「色」「塗料」「費用」に目が行きがちですが、塗装の仕上がりや耐久性を左右するのは“窓まわりの状態”でもあります。窓周りは外気・雨・風を直接受けるため、シーリング(コーキング)やサッシ、取り合い部分の劣化が進みやすく、ここを放置したまま上塗りしてしまうと、後で大きなトラブルにつながります。
ここでは、よくある劣化サイン、その原因、簡単チェック方法、そして業者に任せるべきケースまで、塗装前に押さえておきたいポイントをご紹介します。
1.窓まわりでよく見られる劣化サイン
シーリング(コーキング)のひび割れ・剥がれ
最も多いのがシーリングの劣化です。ゴム状のシール材は紫外線や温度差で硬化・収縮を繰り返し、やがて割れて隙間ができます。そこから雨水が侵入し、内部の下地に湿気が溜まると腐食やカビの原因になります。
サッシ(アルミ・樹脂)の腐食・サビ
アルミ製でもコーキングの劣化や水の滞留で金属部が腐食することがあります。特にサッシ下の水切り部分や合わせ目は要注意。腐食が進むと固定が緩み、開閉不良や浸水につながります。
窓の開閉不良・隙間
窓が開けにくい、鍵がかかりにくい場合、サッシの歪みや下地の沈下が疑われます。隙間は冷気と湿気の侵入経路になり、断熱性能低下や結露の悪化を招きます。
内側の結露・カビ・黒ずみ
窓の内側に結露や黒ずみ(カビ)が増えている場合は、窓の外側での防水や断熱が効いていないサイン。放置すると室内の空気質にも影響します。
2.原因は何?放置してはいけない理由
・紫外線と温度差:コーキングは紫外線で劣化、夏冬の収縮で亀裂が拡大します。
・施工不良:古いシーリングの除去不足や下地処理不足で、再塗装後にすぐ剥がれることがあります。
・水の滞留:植栽や物置で窓下に水が滞留していると、サッシ下部が腐食しやすいです。
・塗装だけで済ませた:下地(シーリング・下地材)の補修をしないまま上塗りすると、本来の耐久性が確保できません。
塗装は外観を整えるだけでなく、防水層の“仕上げ”でもあります。だからこそ塗る前に壊れている部分は直すのが鉄則です。
3.簡単チェック方法
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目視チェック:まずは窓まわりを目でよく見る。白っぽい粉(チョーキング)や割れ、隙間がないか確認。
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触ってみる:シーリングを軽く押してみる(指で押して柔らかさがない・粉化している場合は交換時期)。
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開閉テスト:窓の開閉をしてみて、引っかかりやガタツキがないか確認。
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雨の日チェック:雨天時に窓周りを内側から観察し、水染みや滴がないかを確認。
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水の流しテスト(業者推奨):小さなホースで外側から水を流し、室内に水が入らないかチェック(自身で行う場合、水が入ったときに備えての対策が必要)。
4.DIYでできること、業者に頼んだ方がいいこと
自分でできること
・表面の汚れ・カビの清掃(軟らかいブラシ+中性洗剤)
・目に見えるごく小さなシーリングの打ち増し(応急処置)
・サッシの溝に溜まったゴミの除去と潤滑剤での動作改善
業者に頼むべきなこと
・広範囲のシーリング打ち替え(古いシール材の完全除去と下地処理が必要)
・下地の腐食や木部の補修、サッシ交換が必要なケース
・防水・断熱層に影響する構造的な工事
誤ったDIYはかえって不具合を悪化させることがあるため、判断に迷うときは専門家に点検を依頼しましょう。
5.費用とタイミング(目安)
・簡易なシーリング打ち増し:数千〜数万円(箇所による)
・全面シーリング打ち替え(窓周り一式):数万円〜十数万円
・サッシ交換や下地補修が必要な場合:数十万円〜(範囲による)
塗装の前に必要な補修は、先に直してから塗装することで長持ちします。結果的に、塗装後のトラブル回避と総コスト削減につながるため、塗装見積りの段階でしっかり確認しましょう。
塗装の「前」に直すことが、本当の長持ちの秘訣
外壁塗装は見た目を整えるだけでなく、家を守る作業です。窓まわりはその中でも重要な“弱点”になりやすいため、塗装前の点検と必要な補修を怠らないことが、仕上がりの美しさと耐久性を左右します。





